カリフォルニア・ドライヴ

ダウンタウンの喧騒を抜け、ハリウッドの虚構を避けてPCH(パシフィック・コースト・ハイウェイ)に車を向ける。午後8時過ぎ。初夏の、遅い夜の訪れ。私は愛車のペダルを踏み込み、V8エンジンを急き立たせる。海が見たい。無性にそう思うときがある。サーフィンに興じるほど若くは無いし、海を見ながら飲むビールの味を語るほどのロマンチストでもない。だが、海が見たくなる。サンタモニカのピアを横目に私のシボレーはPCHにたどり着く。車が少ない。夕刻のラッシュアワーが終わっていたことを神に感謝したい気持ちだった。だが私は神を信じない。



太陽が沈んでしまってもまだ空が青白く光っている束の間の時間を映画業界ではマジック・アワーというらしい。

すべてがパステルに染まるこの時は「マジック」と呼ばれるのに相応しいと思う。コカイン遊びのしすぎで肌が安手のレザージャケットみたいになってしまった女優のクローズアップでも、この魔法の光に照らされるのなら、まだ、ネブラスカの純粋な少年たちを騙せるのだろう。人気のない駐車場ごしに海を見た。LAの海は太平洋に面しているのにいつも寒そうだ。これでいい。私は満足し、車をUターンさせる。街へ。


大好きなアメリカンハードボイルドっぽい短編フィクションを書いてみました。写真と一緒にお楽しみください。

かっこつけすぎ?


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