【俳優商売】


コラム「役者稼業」でも書きましたが、運と人脈で役者デビューをしてしまった俺。池波正太郎先生の「剣客商売」にちなんで、俺の役者活動を「俳優商売」と名付けました。俺は、真面目に演技を目指してる人間ではなく、役者をすることで演出家としての俺が少しでも勉強になることがあればという出発点があり、コネが作れたらという色気もある。そして、もしも金子をいただけるようなことがあればそれはさらに嬉しいボーナスだと思っているので「俳優商売」だなと。

【写真1】クリックで拡大そんな俺がまたまたオーデョションに受かってしまった。MTVが毎年主催する映画賞、「MTV Movie Awards」の番宣CMのお仕事。な、なんと共演は今をときめく大スター、ジェシカ・アルバ!

内容は、簡単なコント。

ベニハナのような鉄板焼きのレストラン。ジェシカ・アルバと数人の客がテーブルで待っている。
鉄板焼きのシェフがなかなか現れない。イライラする客たち。
「よーし、わかったわ」と席を立つジェシカ。
シェフのカッコに変身するジェシカ、驚くほど見事な手つきで鉄板焼きパフォーマンスをする。
【写真2】クリックで拡大湧く客たち。美味そうな料理がジェシカからサーブされる。
そこに登場する遅刻した日本人シェフ。すでに料理が出ているのでビックリ。
日本人シェフ:「なんじゃこりゃ!?」
お茶目なジェシカ、日本語で答える。
ジェシカ:「ヤッチャッタ!」

この日本人シェフがオイラの役どころ。ジェシカ・アルバとのセリフがあるのでドキドキ。撮影の前の日はガラにもなく寝れなかったぞ!

撮影日、早朝からカルバースタジオに集合。
サウンドステージの中に鉄板焼きレストランのセットが組まれている。
ホンモノの鉄板とホンモノのシェフも来てて、実際に料理をする場面も撮影された。
いよいよジェシカもセットに登場。むちゃくちゃ美人(当たり前か)。ホントに人形みないな人。こんな人間が実在するのか?って思うぐらいキレイ。ドキドキ。
セリフ「ヤッチャッタ!」の発音を俺に確かめてくるジェシカ。俺、今、ジェシカ・アルバと会話してる?みたいな不思議な感じ。
撮影は順調に進み、俺らは17時ぐらいでバレ。
「うわー、映画スターと共演しちゃったぞ!」とミーハーな高揚感で帰路についた。

【写真3】クリックで拡大で、3週間後。MTVで番宣がオンエアーされ始める。俺も一生懸命MTVを見まくってCMを探したよ(笑)。

「あ!これだ!」と思わずテレビに向かって叫んだ俺。
見覚えのある鉄板焼きセットのCMが始まった。

ベニハナのような鉄板焼きのレストラン。ジェシカ・アルバと数人の客がテーブルで待っている。
鉄板焼きのシェフがなかなか現れない。イライラする客たち。
「よーし、わかったわ」と席を立つジェシカ。
シェフのカッコに変身するジェシカ、驚くほど見事な手つきで鉄板焼きパフォーマンスをする。
湧く客たち。美味そうな料理がジェシカからサーブされる。

よしよし、ここで俺が出るぞ!

「MTV Movie Awardsは、6月8日午後9時からの放送です!」


はっ!?終わちゃった!

そうなんです。おいらの出演部分はカット。ジェシカの超キュートな「ヤッチャッタ!」もカット。
この監督ナニ考えとんの!?俺の部分は別としてもジェシカの「ヤッチャッタ!」がこのCMのキモだったのに。

というわけで、俺のハリウッドスターとの共演第1弾は幻となってしまいました。おかげで、悪友からは「ジェシカ・アルバと競演したって嘘でしょ」とからかわれる始末。
唯一の証拠は、ジェシカと同じ衣装を着た俺の写真じゃ!

あのケビン・コスナーも「再会の時」に出演したとき、死体(しかも腕のみ)以外のシーンはすべてカットされたっていうし、ジョニー・デップも「プラトーン」で主役のチャーリー・シーンよりも目立つという理由で大幅に出演シーンがカットされてるらしい。

俳優ほど人生がまわりの人間に左右される存在は無いと改めて実感。最初にオーディションという難関があり、そのあとコールバックという第2次関門があり、選ばれれば撮影。これも大変。で、それが終わると自分がまったく関知できないところの編集室で生かされたり捨てられたり・・・。

発展途上映画監督光武蔵人、俳優商売を通じて俳優の皆様のご苦労を身を持って勉強中であります!



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