【アメリカの粋】


近所の郵便局へ行きました。
短編映画「復讐剣 血塗れ狼」を映画祭に出品するため、封筒をいくつも抱えて。

封筒のあて先にはいくつも「・・・映画祭」、「・・・フィルムフェスティバル」と書かれています。それを見て、窓口の黒人女性が「あなた映画作ってるの?Are you a filmmaker?」と聞きます。
「はい。がんばってます。Yes, I’m trying.」と答えた俺。
「がんばってるだけじゃなくて、信じなきゃ。No, not just trying, you’ve got to believe.」と微笑む彼女。

郵便代を払い帰る俺に彼女が「グッドラック」と声を掛けてくれる。
心から「ありがとう」と言って駐車場に向かう俺。

車のエンジンをかけながら、胸がグッと熱くなった。

夢に向かって走っています。でも、ひたすら続く下積みの日々。夢は無くさなくても、「俺は自分を信じてる」って最近本気で思えたことがあったかなと思う。反省。そう、自分を
「信じられなくては」
なにも始まらない。初心に返ったような、目からウロコだったような、郵便局での微かな触れ合いでした。

これが「アメリカの粋」だぜ。

粋の本場である日本で「お、粋だね」と思うことはほとんど無くなりました。その代わり、アメリカで「粋だな」と思う瞬間が多々ある。

たとえば、俺がグリーンカード(米国労働居住ビザ)を獲得してから初めてアメリカに入国したとき、ロサンゼルス空港の入国審査官が俺に向かって「Welcome back」って言ってスタンプを押してくれたことがあった。

3年もかかってやっと手に入ったグリーンカードだったということもあってこれはすごく印象に残っている。移民の国アメリカならではの「粋」。かっこがいいよ。純粋に。

もう十何年アメリカと日本を行き来してるけど、「お帰りなさい」って言ってくれた成田の入国審査官は独りもいないから。



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