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【修羅雪姫】 |
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いきなりだけど、俺のオールタイム映画ベストテンに異変が発生!ここ10年ぐらいで一番ガツンとやられた映画に遭遇した!「修羅雪姫」!
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東宝配給、東京映画作品、藤田敏八監督、梶芽衣子主演、1973年制作のオリジナル版だ。この映画はすごい!一気に俺のベストテン入りの大傑作。
復讐モノの集大成、残酷チャンバラの集大成、女ヒーローモノの最高傑作だ。
まず感じるのは原作者・小池一夫さんはマジでストーリーテリングの天才ということ。俺のバイブル「子連れ狼」の作者でもある彼は「修羅雪姫」でも人間の業と復讐の業を巧みに結び付けて物語の基盤を作っている。その上にこれまた業を背負いまくった濃すぎるキャラクターを構築して有無を言わせない世界観を叩きつける。(復讐の鬼と化した女囚が牢で男と交わり妊娠するという話は小池氏の作品「首斬り朝」にも登場する設定だ。) |
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そして「スローなブギにしてくれ」等で有名な藤田敏八監督の演出。恋愛ドラマ系監督だと思って全然ノーチェックだった映画監督だけど、自分を恥じたね。ヌーベルバーグ的匂いをプンプンさせて時に前衛的に、しかし時に浪花節的に、物語を演出している。容赦ないセンチメンタリズムと残酷描写。60年代高度成長期のツケを払うカタチでカオスに突入した70年代の日本人の感性が大爆発を起こして「修羅雪姫」に集約されているのではないかとさえ思わされる力技の演出を見せてくれる。
同時期にチャンバラ劇画を残酷アクション映画として作っていた「子連れ狼」や「御用牙」(これらの作品すべて小池氏の原作というのも凄いことだ)の元大映組(若山富三郎さん、勝新太郎さん、三隅研二監督たち)が「古き良き日本のプログラムピクチャーを底辺に置き70年代という時代をスパイスにしていた」のとは逆に「70年代という時代を底辺に置き古き良き日本のプログラムピクチャーという制作体系をスパイスにした」作りの「修羅雪姫」には滅びる者の最後の悲鳴的凄味で我々を魅了した「子連れ狼」や「御用牙」とは一味違った次世代への挑戦状というべき魅力が溢れている。(この先駆者的映画が示した「日本映画の次世代」が80年代に入り湾曲され、90年代では完全に破壊されたことは残念極まりないものである。またこの作品の続編「修羅雪姫 怨み恋歌」自体がただのプログラムピクチャーに成り下がってしまっているのも大いに残念。)
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そして梶芽衣子さん。彼女の魅力は信じられる殺陣を演じられる日本映画界唯一の女優という(これだけでもすごい存在)だけではないモノがある。復讐のためだけに作られた存在というファーアウトな設定を見事に体現し、この世のものとは思えない美しさと、この世のものだけが持つ儚さを魅せる稀有な女優だ。 |
この作品のストラクチャーと世界観をタランティーノ監督がそっくりそのまま「キルビル」でパクッてる。梶芽衣子さんが歌う「修羅雪姫」の主題歌が「キルビル」で使われたのは有名だけど、タランティーノが本当にやりたかったことは「修羅雪姫」のリメイクだったのではないか。でもね、ユマ・サーマンが100人束になっても梶芽衣子様には敵わないぜ。
俺の企画「サイレントソード」のリライトを視野に入れて70年代の復讐モノ見まくり計画の中で遭遇したこの作品、久々にここまで一気に文章が書きたくなっちゃうほどの傑作だ。3月下旬にDVDが出るから見てない人はぜひ買うか借りて見てちょうだい。特に「キルビル」なんかの逆輸入復讐劇に感動してる邦画を見ないボンクラ映画オタクども、「修羅雪姫」を見てないで知ったかするんじゃねぇ!
(釈由美子主演のリメイク版はあまりにも名前負けなのであえてここでは触れませんでした。あしからず。) |
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