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空が煙におおわれ、その隙間から差す昼間の太陽が夕焼けのように、朱色に見えました。まるで90年代末に流行った「世紀末・終末説」映画の1シーンのように恐怖を感じさせる空でした。
南カリフォルニアは記録的なインディアンサマー(夏の暑さが秋に戻ってくる現象)に襲われ、10月末だというのにクーラーが必要な陽気でした。その暑さと乾燥を武器に山火事は燃え広がります。最大で12もの山火事が同時に猛威を振るいました。サンフランシスコ大地震、ノースリッジ大地震を凌ぎ、カリフォルニア州の歴史上最悪の天災(放火の疑いが濃厚な出火もあり、人災との言い方もできるのですが)です。今回の火事では20人が死亡、約2万人の消防士たちが消火に当たり、そのうち200人以上が負傷、住民6万人以上が避難生活を余儀なくされました。

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僕が通った大学院の近くにも火が迫り、煙により数日間閉校となりました。このときは、僕自身とても心配になり、何ができるわけでもないのですが、とりあえず大学のある街に向かいました。今回掲載した写真はそのとき僕が撮ったものです。
夜空を照らす赤い炎は恐ろしくも美しく、人間の心の根底に流れる原始からの自然へ対する畏怖の念を僕の脳裏によみがえらせるようでした。そして、僕の |
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思いは人間と自然の共存のバランスに巡るのでした。 |
数年前、テレビのコーディネーターをしていたとき、シエラネバダ山脈特有の植生であるジャイアント・セコイヤという大木のドキュメンタリーを撮ったときの事を思い出しました。地球上の生物の中で単体としては最大の大きさになるこの木が絶滅の危機に瀕していると学者たちが唱え始めたのが70年代初頭。その原因は人間が森に入り、山火事をストップし始めたことにあります。ジャイアント・セコイヤの種は巨大な松ボックリのようなものの中に出来、木の枝から地上に落ちます。この巨大松ボックリは炎の熱にさらされたときに破裂し、種を地に蒔きます。人間たちが自分たちの土地を守るため、または森林の保護のためだと思い、自然のサイクルとして発生する山火事を食い止めた事によってセコイヤの種は火に触れることができず、新芽を出すことができなくなったのです。
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今回の山火事も過剰な自然保護が必要以上の樹木を森の中に留めたため炎の勢いが強くなり、ここまでの被害を出したと言われています。
本来、山火事は自然に起こり、ある程度の森林を焼き、自然と消えます。このサイクルを人間がコントロールした事により、数年に1度燃えるはずの森林が燃えず、成長を続けます。このため一度火災が起きたときには溜まりに溜まった燃えるはずの森林が燃え、自然には発生することの無い規模の山火事となり人間に襲いかかるのです。 |
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今回の火事は、自然界から驕り高ぶった人間たちへの警告だったとも言えるのではないでしょうか。盲目的に自然を「守る」のではなく、自然を敬いそのサイクルを尊重する人間と自然の共存を今回の山火事は示唆しているように僕には思えました。 |