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“ 母国日本への手土産は『モンスターズ』”
ハリウッドで活躍する日本人監督・光武蔵人インタビュー

娘を銃乱射事件で殺された父親。復讐に燃えた父親は、護送中の犯人を拉致し倉庫に監禁する。罪の意識はなく、反省の色さえもみせない犯人に対し、父親は暴力と拷問という手段をもって、“教育”という名の復讐を始めるが。。。メインの登場人物が2人の密室劇を緊迫感溢れるエンターテイメントに仕上げたのは、若くして単身アメリカに渡り、映画を学んだ日本人監督・光武蔵人。メイド・イン・アメリカの『モンスターズ』”を引っさげて、母国日本に上陸した光武蔵人監督に話を聞きました。
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なぜ、ロサンゼルスに渡ったのですか?
■光武蔵人監督(以下、光武)「スピルバーグの『激突』に感銘を受け、映画監督を志しました。
アメリカでは映画を学問として学ぶことが出来ると聞いたので、ロスに渡りました」

アメリカの学校で何を得ましたか?
■光武「フィルムからデジタルに移行する時期だったので、両方の良いところを学ぶことが出来ました。
それと、映画を学ぶために集まってきた世界各国の友達たちとの出会い。
これが何よりも自分の財産ですね」
そして、卒業後、テレビディレクターなどを経て、初の長編映画『モンスターズ』
を監督されたわけですが、何故、この題材を選んだのでしょうか?
■光武「特にこの事件にインスパイアされたというのはないのですが、
ちょうどO・J・シンプソンの事件があった後で、
被害者と加害者の立場というものに興味を抱き、そこからインスピレーションを受けました」

被害者と加害者の立場をどう描こうと思いましたか?
■光武「復讐というのは正義でありながら、その行為自体は犯罪です。
自分の正義を貫こうとする父親も、結局は犯罪者になっている。
犯人の少年も父親も“モンスター”なのです。同じコインの表と裏ですね」
殺された娘と父親があまり仲が良くないという設定が意外でした。
良き親子関係にしなかった理由は?
■光武「不仲の方が、後悔の念は強くなると思いました。
良き父になるチャンスを奪われた訳ですから、より怒りが露になる」

登場人物はほぼ2人で、しかも密室劇。
観客を飽きさせないために試みたことは?
■
光武「7割はキャスティングです。独立系の作品なので、
有名な俳優さんは雇えません。
そこでオーディションをして、本当に実力のある俳優さんを見つけてきました。
あとは様々な映像のギミックを用いました」
具体的にはどのようなテクニックを使ったのでしょうか?
■光武「カメラワークにこだわりました。カメラが360度回転する装置を作ったり、
様々なアプローチを試みました。
あと、カメラを俳優の身体に固定する装置も作りました。
それを俳優2人に取り付けて、会話のカットバックをやったのですが、
この技法は恐らく映画史上初の試みだったと思います」
密室劇はテンポも重要ですよね?
■光武「カット割が激しい今時のハリウッド映画ではなく、
もっとじっくりと見せたいと思いました。
それでもテンポは重要だと思うので、飽きがこないようにいろいろと気を遣いました」
あんまりカット割が早いのもねぇ。。。
■光武「7秒に1回はカットを割らないと、MTV世代のアテンションはキープできなと言われています」
マイケル・ベイは3秒に1回ですね。アクション・シーンになると1秒です(笑)
■光武「あとレニー・ハーリンも(笑)」
製作スタッフはどのような方々だったのでしょうか?
■光武「友達が多かったです。仕事としてというよりは、
ピュアな気持ちで一緒に何かやりたいと思ってくれる人たちが集まってくれました。
映画は一人では作れませんから、仲間というか、同志はとても大切です。
それはハリウッド大作でも同じだと思います」
なるほど。では日頃より肌身に感じているハリウッドの現状は?
■光武「冒険しなくなっていると思います。自分がまだまだだからそう思ってしまうのかもしれませんが、
オリジナル脚本や新しい未知数の才能に賭ける会社が少なくなってきました。
脚本を持ち込む際にもエージェントが必要。とにかくエージェント。
そのシステムが生み出す敷居は高いです」
それでもアメリカで撮ることにこだわりたいですか?
■光武「撮らせて頂けるならどこでも行きますが、行ったり来たり出来たら良いなと思います。
ハリウッドではカメラの後ろ側に立つ人の人種は、あまり問われなくなってきているので、
向こうで挑戦したいと思っています。
逆輸入のような形で、日本に戻って来て映画が作れたら良いですよね」
では最後に2004年にアメリカで作った『モンスターズ』が、3年を経て母国である日本でお披露目される感想は?
■光武「とても嬉しいです。
やっと自分が日本で不祥事を起こした時に、“映画監督”という肩書きが付く訳ですから(笑)。
そうは言っても、まだまだ発展途上の監督なので、早く次回作を撮って、
また日本に上陸出来たら良いなと思っています」
2006年の ゆうばり国際ファンタスティック映画祭で知り合い、
共に映画バカであり、同い年というこも手伝って、その後も親交を深めてきた光武監督。
よって、『モンスターズ』が日本でリリースされるという知らせを受けたと時は、伊藤Pもとても嬉しかった。
ハリウッドで活躍する清水崇監督や中田秀夫監督が、日本でのキャリアを活かしてのハリウッド進出だったのに対して、
光武監督は現地でゼロから積み上げようとしている。
これは凄く大変なことです。本当に頑張って欲しい。
さて、初の長編となる『モンスターズ』勿論、老若男女を問わず見てもらいたいのですが、
レンタルビデオ盛栄期と青春時代が重なる世代には、間違いなく斬新に、かつノスタルジックに響くはず!
<光武蔵人 プロフィール>
映画監督を志し、高校生の時に単身渡米し、サンフランシスコ芸術大学で映画を学ぶ。卒業後、テレビディレクターなどを経て、2004年に初の長編『モンスターズ』を手掛ける。また、清水崇監督ハリウッド第2弾「THE
GRUDGE2」のシカゴ撮影部分の助監督を務めるなど、今後の活動が大いに期待される俊英。

『モンスターズ』
監督:光武蔵人
出演:ディーン・シモーン/カイル・イングルマン
製作年:2004年
製作国:アメリカ
DVD情報
特典
・未公開短編『The Killer,The Wounded,and The
Liar』『無常刃』に加え、
予告編&メイキング映像収録
・監督・プロデューサー・編集によるオーディオ・コメンタリー収録
・画コンテ&スチールスライドショウ
発売・販売元:マクザム
レンタル:2007年3月2日DVDレンタル開始
発売日:2007年3月30日DVD発売
価格:3,990円(税込)
品番:MX-228S
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